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ご長寿よろず診察室 神経内科のお話し その41

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第41回:認知症患者さんを介護する家族の話
担当ドクター 北村伸先生 (日本医科大学武蔵小杉病院 内科)


 今回は、外来で認知症と診断された方のご家族や介護者さんの話をします。

認知症の患者さんとご家族の方には、認知症と診断した後には、病名と病気の内容を説明して、治療を開始しています。その時によくきかれることがあります。それは、普段何を注意してどのような生活をしていったらよいのでしょうかということです。
できることや興味のあることをやり続けましょう
 趣味があって、今でもやっている人には、それを続けましょうと伝えます。私の外来に来ている患者さんの例では、囲碁、将棋、競馬、ダンス、ゴルフ、植木、野菜作り、編み物、刺繍などを続けている人たちがいます。

 以前はやっていたけれども今はしていないという患者さんには、一度再開できるかどうか試してみたらどうですかと伝えます。治療が始まった後に、編み物をするようになった人や、囲碁を再び始めるようになった人もいます。

 元々趣味もなく、家では何もしないんですという人もいます。この様な患者さんは少なくありません。ドリルを買ってきて頭を働かせた方がよいのではないですかというご家族もいます。その時には、何でも良いですから、関心を示して、何かできることを見つけてあげたらどうですかと話します。

 料理や後片付けを手伝ってもらう、一緒に散歩をすることを日課にしてみる、一緒に外出して買い物を手伝ってもらう、一緒にテレビを見て話をするなど、どんなことでも良いですから見つけてあげると良いと思います。何にも興味がないんですよと家族が言っていた方でしたが、デイサービスに行くようになって、カラオケが好きと言うことがわかり、普段の生活が生き生きとしてきた方もいます。
周囲の人の協力が必要
 いずれにしてもご家族や介護をする方の協力が無いと以上に話したようなことはできません。

 私の外来の患者さんについて調べた結果では、実際に介護をしている人たちは、50%が配偶者で、残りは子供達でした。そのうち2/3は、単独で介護をしていました。2005年の調査では、世帯主が65歳以上の世帯は、独居か夫婦という世帯が64%です。したがって、介護をする人がいなかったり、介護をする人が高齢であるということです。介護は一人では難しく、認知症の人を地域で支えなくてはいけないと思います。
  診断した後に、病気の説明をしますが、その時に認知症なので、物忘れがあったり、理解や判断が以前のようにできないことを、介護をする人に理解してもらいます。患者さんが、何度も同じ事をきいてきたり、つじつまの合わない事を言ったりしても否定したり説得してもわかってくれませんから、病気であるという事を心において対処するようにアドバイスをしています。
  しかし、外来にくる毎に、言う事を全然きいてくれないんですよ。注意したら、暴言をするんですよ。以前はそんな事はなかったのに、どうしたら良いのですかときいてくるご家族や介護者さんが時々います。病気のために、そうなっているのですよと、再度話をしますが、そうとはわかっていても、イライラして、つい否定をしたり説得をしてしまうそうです。

 このような方には、介護の負担が大きい事が原因の一つと考えられます。介護負担の軽減のために、介護に協力をしてもらう人を見つけてもらったり、デイサービスの利用を考えてもらうように話をします。

 介護をする人に余裕がないと患者さんの状態にも悪い影響が出てきます。単独での介護は大変です。地域で認知症患者さんを支えていく必要があるわけです。

 厚生労働省は、認知症であっても安心して暮らせる町づくりを目指しています。また機会があったら、この話をしたいと思います。
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